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銀行との上手なお付き合いとは!? 2

会社設立運営

前回は、銀行が貸しにくくなる要因を書きましたが、今回は銀行がより貸しやすくなる要因について書きます。
特に創業期に的を絞ってみたいと思います。

① その業界の経歴が豊富
新規創業の場合、これまでの豊富な経歴を生かして創業できるとなれば、既に見込顧客も獲得済の可能性も高く、銀行としては貸し付けやすいと言えます。
特にその業界での管理者としての経験があるほど有利です。

② 見込顧客がいる
見込顧客とは、これから自分の顧客になってくれる予定若しくはその可能性の高い未来の顧客のことです。
見込顧客をたくさん抱えての創業であれば、銀行も安心して貸付を行えます。

③ 資金をコツコツと貯めてきている
自分名義の預金に資金を何年にも渡ってコツコツと貯めてきている人は、お金に真面目で浪費癖もないであろうと推定できますので、貸し付けやすくなります。
銀行から貸し付けを受けるやいなや、個人的夜遊びなど信じられないものに浪費していく経営者は実際に存在します。
銀行は何度も何度もそうやって痛い目に遭っていますので、そういう輩ではないことを見せて安心させてあげましょう。

④ 創業動機(理念)がしっかりしている
色々な場面で登場するこの創業理念ですが、銀行もやはり見ています。
創業理念がしっかりしていれば、背骨の通った差別化戦略が採れます。
また、理念に賛同した従業員(内部顧客)が入ってきます。
すると日本人が最も得意とする、一つの目標に向かうユニット型の企業集団が構築されます。
そしてそのような理念は、銀行にとっても魅力的に映ります。
銀行にも社会的使命があります。
少々危ない橋であっても、社会的に助けるべきであれば、手を尽くしてくれるかもしれません。

⑤ 強みを知っている
強みというのは経営学用語ではありますが、まあ、そのままの意味で良いと思います。
この強みも創業理念の延長で説明されていくものになりますが、同業他社と比べて自社は何が違うのか、どのような優れた点があるのかを自ら把握し、説明できることが大切です。

⑥ 弱みの対策をしている
万能の人間はいないわけで、強みがあれば必ず弱みもあります。
強みが強力であれば弱みを覆い隠してくれますが、対策を意識しているとなれば更に安心ですね。
創業者は、その道のエキスパートである場合が多いです。
すると反対に、経理や労務、法務などが苦手である場合が多いです。
そちら方面に強い従業員を雇用する、もしくは会計士や社会保険労務士を擁することで対策していくのであれば、銀行としても安心感が増しますね。

⑦ 以上を踏まえた創業計画を説明できる
上記①~⑥をしっかりと説明する形で創業計画を作っていきましょう。

⑧ 以上を踏まえた資金計画が立てられている
資繰計画は、資金繰予定表によって説明されます。
小難しい名前ですが、シンプルなものであれば特に簿記の知識がなくても作成できますので、ぜひ作ってみて下さい。
作り方のコツとしては、あまりバラ色の計画になりすぎないということです。
経営者は得てして理想論で資金繰予定表を作りがちですが、銀行側はあーハイハイ(笑)と思って見ています。
しっかりとした裏打ちのあるものを作りましょう。
売上は既に存在する見込顧客数を基に割り出していることを解説していたりすると、正確性が増しますね。
また反対に、あまりに悲観的なものも作らないようにしてください。
5年間ずっと赤字が続くような資金繰予定表を出されると、銀行も貸すに貸せなくなってしまいますので。

以上、創業期の銀行へのアピール方法を書いてみましたが、他にも色々な要素はあると思います。
ただ、こんなに小難しく考えなくても、あっさり融資を受けられる場合も往々にしてありますので、上記をすべて完璧にしないと創業できないなどと考えないで下さい。
また、今日の内容って、単に対銀行向けの話ではないことはおわかりいただけると思います。
銀行と付き合うかどうかに関わらず、創業者が考えていくべきことではないでしょうか。

執筆者

竹内 学

これまで70年以上にわたって「企業とファミリーを孫の代までサポートできる」事務所を目指して培ってきた経験と実績をもとにご相談に乗らせていただきます。

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