よく言われる「付加価値」についてです。
付加価値って何でしょうか。
通常の価値と何が違うのでしょうか。
価値とよく似た言葉として「価格」があります。
価格はどのようにして決まるのでしょうか。
需要と供給の交わった点が価格であるとも言えます。
しかし鉄や小麦と違って、特にサービス財などは、価格の決まり方がより複雑と言えます。
一言で言うならば、その財の「価格」よりも買い手のその財に対する「期待値」が高ければ、財は売れます。
価格≦期待値 の関係が成り立ちます。
顧客は基本的には、価格≦期待値のときにその財を購入します。
購入した結果得られるものが「価値」です。
価値は期待値と同等かもしれませんし、期待値より高いかもしれませんし、反対に低いかもしれません。
買ってみたら大したことなかったというのは誰もが経験することです。
期待値=価値 の場合、「満足」が得られます。
期待値>価値 の場合、「不満」を感じます。
期待値<価値 の場合、「感動」が得られます。
この期待値<価値 の場合の、価値-期待値 の部分を「付加価値」と呼びます。
付加価値のある財を売り続ければ、その会社やブランドへの「信頼」が高まり、最終的にはその会社の売る物なら何でも買うという「信仰」の状態を生み出します。
アップルなどがその状態です。
この付加価値というのは、期待値に含まれなかった部分ですので、意外な部分である場合が多いです。
例えばオーディオであれば、最初から顧客は音質についての期待値は高いために、音質で付加価値をつけるのは難しく、むしろ色々な無線通信を傍受できる等の、あまり音質とは関係ないところが付加価値になります。
これを「桐の箱理論」と呼びます。
お宝探偵団で「いい仕事してますね~」と言う先生が、いつもおっしゃっているのが、「いい物はいい箱に入っている」ということです。
付加価値はむしろ本体以外の部分に付くということをおっしゃっています。
我が国は高い技術を持ちながら、期待値を高める作業が苦手であるために、その財の価値の多くの部分を潜在価値のままにしている場合があり、価格≦期待値であるため当然に価格に反映されてきません。
これが所謂ガラパゴス化現象に繋がります。
分かる人には分かるというのは我が国の美学としてあるとは思うのですが…
価格と価値の間に期待値があることにさえ気付いていない企業も多いと言えます。