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銀行との上手なお付き合いとは!? 4

会社設立運営

今回は決算書の銀行格付けを上げるという、テクニカルな回になります。

銀行は、融資を申し込んできた会社から決算書を受け取り、それを分析します。
もちろん担当者の人間の目を通した分析も行いますが、コンピューターを通してポンカラキンコンカンと数字をはじき出す作業も行います。
そうして自動的に決算書の点数表が出され、他の査定と併せてその会社の格付けが行われます。

はじき出された格付けにより、銀行は会社への対応を変えてきます。
格付けが低い程に、融資の条件は厳しくなっていくという具合です。
特に自動計算の部分は、一定の数値の間隔で点数が割り振られます。
例えば流動比率が100%以上で1点、120%以上で3点といった具合です。
数値が一定の基準をクリアするように決算書を工夫して作っていくことで、色々な指標から積み上げられる点数を高めていきます。

但し、これは粉飾決算をしろという意味ではありません。
決算書の数値の計上方法を、認められている会計規則の範囲内で、工夫していくというものです。
以下、ある大手都市銀行の点数配分に従って、いくつかの指標の例で見ていきます。

① 流動比率
式 流動資産合計/流動負債合計×100
目指す数値 100%以上 120%以上 140%以上…
流動比率は、会社の安全性を示す指標です。
必ず100%以上になるようにしましょう。
決算書上の数値が119%なら、なんとか頑張って120%にしましょう。
例えば短期借入金の中に長期借入金が混じっている場合など、長期部分を流動負債から固定負債に振り替えれば、それだけで流動比率は高まります。

② 売上高経常利益率
式 経常利益/売上高×100
目指す数値 1%以上 2%以上 3%以上 4%以上…
売上高経常利益率は、通常運転時における会社の利益を表します。
当然数値が高いほどよいです。
決算書上の数値が0.9%なら、1%になるよう工夫しましょう。
例えば営業外費用に有価証券売却損が計上されており、その売却した有価証券が投資有価証券であったなら、特別損失に計上することも可能です。
それだけで売上高経常利益率は高まります。

③ 自己資本比率
式 純資産の部/負債の部・純資産の部合計×100
目指す数値 15%以上 20%以上 25%以上 30%以上…
自己資本比率は、総資産の内返済不要な自己資本により調達されている割合を表します。
当然数値が高いほどよいです。
理想としては40~50%以上を目指していきたいところですが、数値が低い場合は、増資する等の方法で自己資本比率を増やしていけます。

以上のように、際どい数字であれば、工夫により大台に乗せるように工夫します。
微妙なラインにある会社であれば、これにより格付けが1ランク変わる可能性もあります。
小さなことからコツコツとですね。

執筆者

竹内 学

これまで70年以上にわたって「企業とファミリーを孫の代までサポートできる」事務所を目指して培ってきた経験と実績をもとにご相談に乗らせていただきます。

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