労働生産性の算式は以下のとおりでした。
労働生産性 = (営業利益+従業員人件費+減価償却費+地代家賃+租税公課) / 従業員数
さて、次は人件費について見ていきたいと思います。上の算式の中でも、人件費は最も金額が大きくなる可能性の高い要素です。ですので、この人件費がどう計上されるかによって、その企業の労働生産性は大きく左右されます。
では前回と同じように、単に人件費が増大したと考えてみます。するとその分営業利益が圧迫されて、営業利益は下がってしまいますので ( )内はやはりプラマイゼロです。しかしもし人件費の増大が、従業員数が増えたことによるものであれば、算式の分母である従業員数が増えてしまいますので、労働生産性は下がってしまいます。人件費が労働生産性に与える影響力の大きさがお解りいただけると思います。
では、どのような人件費の支払いパターンが最も労働生産性を高めるでしょうか。結論としては、従業員1人当たりによりたくさんの給与を支払い、企業はそれ以上に儲けているというパターンです。まあ、確かに理想的なパターンですね(笑)。もちろんそのような企業もありますが、多くの企業がそうは上手くいっていません。だからこそ労働生産性が主要先進7カ国で最下位なわけです。