従業員への決算賞与を支給することで、法人税額を下げることが可能です。
会社の決算利益が多くなってしまいそうな場合、決算日直前に色々と経費を支払って利益を減らそうと試みます。
法人税は、利益(所得)に対するパーセンテージで課税されるからです。
経費の中でも人件費は、いわゆる「人的資本」への投資であり、大変有効な経費の使い道の一つと言えましょう。
しかしながら、給与本体を増やしてしまうと後々大変なので、決算前に従業員に賞与を支払う場合がよくあります。
但し、役員に対する決算前賞与は、事前(期首)に税務署に届出をしていない限り経費にはできないとお考え下さい。
あくまで従業員に対する賞与が、経費として計上可能です。
さて、従業員への賞与の支払が決算日に間に合わなかった場合、決算日から1ヶ月以内に支払われるのであれば、決算で賞与の未払計上が認められます。
つまり、決算日時点ではまだ支払っていなくても、経費にできてしまうということです。
但し条件がありまして、決算日までに、後日賞与を受け取る従業員全員に、賞与の支払日や金額を記した事前通知をしておく必要があります。
事前通知書のコピーは、しっかり残しておきましょう。
実際の支払日が決算日から1ヶ月を超えてしまうと、その決算での賞与の経費計上が無効になってしまいますのでご注意下さい。
このような決算賞与は有意義でしょうか。
しっかりと利益とリンクさせ、一定の規則の下に支払うのであれば、従業員のモチペーションを高める効果があると思います。
ただ、毎年同等の額を機械的に支払ってしまうと、いざ貰えないときにモチベーションを下げてしまいますので要注意です。