会社経営で一番大変なことは何でしょうか。
これについては、概ね経営者の意見の一致をみているようです。
「資金繰り(資金調達)」です。
経営者の一番大変な仕事は資金集めであり、この経験のない人間にいきなり大きな会社の経営は任せられません。
後継者が見つからないという場合、資金繰りの後を継いでくれる者が見つからないと同義とも言えます。
中小企業が同族で連綿と経営を行う理由の一つは、同族でもない人間がいきなり会社の連帯保証人になってくれはしないということです。
我が国では事業部制が一時もてはやされましたが、現在では分社化が組織の選択肢として有力になってきています。
事業部制では後継者が育たなかったからです。
○○事業部の部長は、今年度の事業を行うに際して、予算に応じて経理部からお金を貰います。
でもこれって経営で一番大変で大切な金策のプロセスが抜けているのです。
金策をしたことのない人間に会社を任せられない、すなわち「後継者が育たない」のです。
そこで事業部を分社化することにより、事業部長は子会社の社長になります。
金策は親会社の援助はありますが、基本自力です。
銀行と折衝するなり、社債を発行するなり、上場して資金を集めるなりしなければなりません。
そうやって初めて、後継者として育っていくことになります。