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固定資産の上手な買い方とは!?

会社税務

固定資産とは、企業活動の基礎となり、長期間継続して使える資産のことです。
固定資産の種類には土地、建物、機械、車両、器具備品等の「有形固定資産」、営業権、特許権、商標権、ソフトウェア等の「無形固定資産」、子会社株式、投資有価証券等からなる「投資その他の資産」があります。

上記の内で、有形固定資産の殆どは、「減価償却」により、毎年その価値が減少していきます。
減価償却とは、固定資産の取得原価を、その資産が使用できる期間(耐用年数)で、数年から数十年間にわたって費用配分する手続きのことです。
例えば、乗用車であれば6年の減価償却期間で、6年後に価値は1円になります。
無形固定資産の中にも、営業権、商標権、ソフトウェアのように、減価償却していくものがあります。
例外的に土地や有名美術品等は減価しません。

さて、固定資産を買えば、上記のように1年では経費にできません。
固定資産に1,000万円の支出をしたとしても、1年あたりの減価償却による経費は数十万円程度だったりします。
ですので、固定資産を買ってもすぐには経費にできない=利益が減らない=法人税が減らないということになります。
ではなるべく早く経費にするにはどうすればよいのか。
以下のような手段があります。

① 耐用年数の短い資産を買う
例えば、乗用車の耐用年数は6年ですが、軽乗用車の耐用年数は4年です。
軽を買った方が、2年早くすべて経費化できます。
建物であれば、鉄筋よりも木造の方が耐用年数は遙かに短いです。

② 中古資産を買う
中古資産の耐用年数は、新品より短くなります。
法定耐用年数の過ぎた中古資産の耐用年数は、「法定耐用年数×20%」となります。
法定耐用年数の過ぎていない中古資産の耐用年数は、「法定耐用年数-経過年数+経過年数×20%」となります。
算出された耐用年数が2年に満たない場合は2年とされ、2年以上の場合の1年未満の端数は切り捨てとなります。

③ 特別償却制度を利用する
例えば、中小企業者が機械等の減価償却資産を取得して指定事業の用に供した場合は、1年目は普通の減価償却費より多めに減価償却でき、これを特別償却といいます。

④ 10万円未満の資産を買う
10万円未満の減価償却資産は、即経費にしてもよいことになっています。
消耗品費等の科目に計上しましょう。

⑤ 少額減価償却資産を買う
青色申告をしている、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人(中小企業者)等が、取得価額が30万円未満である少額減価償却資産を平成32年3月31日までの間に取得等して事業の用に供した場合には、年間の少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円まで、即経費にしてもよいことになっています。

さて、特に④と⑤については、複数のものを一緒に買った場合はどうなるかが問題となります。
例えば、パソコン25万円とプリンタ10万円を一緒に買って35万円だったとします。
この場合、パソコンとプリンタが別々に機能するものであれば、⑤の少額減価償却資産として、別々に即経費に落とせます。
反対に、このパソコンとプリンタが完全にニコイチ、プリンタがこのパソコンとプログラム等で完全に連動していて、他では使えないような場合であれば、単体と見なされて35万円となり、⑤には当てはまりません。

早く経費にしたい場合には、単体が30万円未満になるように値切るなりグレードダウンするなり頑張ってください。

反対に、値切ったら損な場合もあります。
例えば、中小企業者が機械及び装置で1台又は1基の取得価額が160万円以上のものを取得した場合、30%の特別償却または7%の税額控除を受けることができます。
160万円の機械を1万円値切ったばっかりに、11万円の税額控除を受けられなくなったりします。
このような特別償却や税額控除の対象となるような固定資産は、気を利かせてギリギリ控除を受けられるような値段設定にしてある場合がありますので、脊髄反射で値切らずに、購入の前によく調べるか、税理士に相談しておくのが吉です。

執筆者

竹内 学

これまで70年以上にわたって「企業とファミリーを孫の代までサポートできる」事務所を目指して培ってきた経験と実績をもとにご相談に乗らせていただきます。

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